1億1500万光年先で発見された「親潮」、暗黒物質の謎に迫る
宇宙には、目に見えない暗黒物質(ダークマター)がびっしりと詰まっている。その正体を探る手がかりが、なんと1億1500万光年彼方の「星のリボン」から見つかったという。
ハッブル宇宙望遠鏡の画像を解析していた研究チームが、超拡散銀河「UGC 9050-Dw1」の中に、極めて細く長い星の流れを発見。これを「親潮(Oyashio)」と名付けた。名前の由来は、冷たい海流を運ぶ太平洋の親潮から。星々がまるで海流のように漂う様子が重なったようだ。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro この親潮、何がすごいかって、銀河系の外で見つかった「球状星団由来の恒星ストリーム」としては初めてのケースなんだそうだ。これまでこうした星の流れは、天の川銀河の中でしか確認されていなかった。
「親潮」の長さは約6500光年、幅はなんと約72パーセク(約235光年)。細すぎるだろ。同じような星の流れである「オーファン・チェナブ・ストリーム」が幅200パーセク以上あることを考えると、その細さが際立つ。この細さこそが、この流れが小さな銀河の破片ではなく、球状星団が引き裂かれてできた証拠だと研究者たちは言う。
このストリームが重要なのは、その形状から周囲のダークマターの情報が読み取れるからだ。研究チームは「X-Stream」という計算ツールを使って親潮の形状をモデル化し、元となった球状星団の質量は太陽の250万倍以下であること、そして親潮の明るさを再現するには、天の川銀河の有名な球状星団パロマー5の約20倍の質量が必要だったことを突き止めた。
さらに、このストリームの形状から、UGC 9050-Dw1を取り巻くダークマターのハロー(暗黒物質の暈)の質量が、天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲と同程度である可能性が示された。超拡散銀河は見た目がすごく薄暗いため、従来の方法ではダークマターの測定が難しかった。しかし、星のストリームを使えば、こんな遠くの銀河でもダークマターの重さを測れるというわけだ。
もちろん、まだ課題はある。見えているのはストリームの片方の腕だけだし、距離が遠すぎて個々の星を分解できないため、色の比較にも不確かさが残る。研究チームも「偶然の重なりである可能性は完全には排除できない」と慎重だ。
それでも、ユークリッドやナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡といった次世代機が本格稼働すれば、こうしたストリームは続々と見つかるだろう。暗黒物質の謎を解く鍵は、思わぬところに「細く長く」隠されているのかもしれない。
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