100年後、世界の38%が100万人超都市に住むって本当?成長鈍化のカラクリ
ムンバイやラゴス、サンパウロ、上海——こうしたメガシティは何十年も世界中から人を吸い寄せ、拡大を続けてきた。「大きい都市はますます大きくなる」という流れは、もう止まらないかに見える。
ところが、最新の研究によれば、このトレンドには天井があるらしい。約100年分の人口データを解析した結果、巨大都市の成長が最も速いのは国の発展初期だけで、都市化が進むにつれてそのアドバンテージは消えていくという。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究を率いたのは、チューリッヒ工科大学や複雑系科学研究所などのチーム。衛星データを使って実際の市街地をマッピングし、行政境界に頼らない新たなデータセットを構築。さらにアメリカでは1850年から2020年までの国勢調査記録を手作業で掘り起こし、5億件以上の個別データを4万近い地域に紐付けた。
その結果、都市化が進んでいない国(主にアフリカやアジア)では、100万人以上の大都市が全国平均より約7.3%速く成長している。ところが、すでに高度に都市化した国ではその差がほぼ消滅。欧州では大都市も全国平均並みの成長率で、アメリカ大陸ではむしろ大都市の成長がやや鈍い。
韓国とアメリカの歴史を見ても、同じパターンが確認できる。工場や仕事が一部の都市に集中していた時代は大都市が急成長したが、経済が成熟し機会が分散すると、成長率は平準化した。
チームはこのデータをもとに2100年までの予測を4パターンで計算。大都市の優位性が続くと仮定した場合、世界人口の47%が100万人超の都市に住む。一方、優位性が消えるモデルでは38%——約4億5000万人も少ない数字だ。ちなみに1975年時点では11%しかいなかったのが、2025年には24%にまで増えている。
なぜ大都市の優位性が薄れるのか。研究者たちも確定的な理由はわからないと言う。ただ、農村からの移住の減少、住宅価格の高騰、都市中心部から郊外や地方へ仕事が分散していることなどが要因として考えられる。
この傾向は政策にも影響を与える。大都市は一人当たりの生産性が高い反面、環境負荷も大きい。成長が鈍れば経済的な恩恵は減るが、代わりに汚染や排出の集中が緩和される可能性もある。どちらのトレードオフを重視するかは、データだけでは決められない。
もちろん、気候変動による移住や地政学的な変化といった「想定外」が起きれば、予測は簡単に狂う。しかし、この研究のパターンは自動車の普及、インターネット、グローバル貿易といった大きな変化を経ても崩れていない。メガシティの成長そのものは続くが、「他のどこよりも速く成長する」という特権は、すでに多くの国で終わりを迎えている。
「大きいことはいいことだ」という時代は、静かに幕を閉じつつあるのかもしれない。
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