6年かけて作った“無言の営業資料”、フォロワー150万人超の男が語る集客術
「ほとんどのエージェンシーは、見込み客に『自分たちはこんなことができます』と伝えなければならない。でも私は、考え方を公開して、それが役に立つかどうかは相手に判断してもらう方がずっと面白いと思ったんだ」
こう語るのは、フィンテックとAIに特化したクリエイティブ・パフォーマンスエージェンシー「Multiply」のCEO、ジョシュア・カルムス。彼はこの6年間、広告を徹底的に分析し、「なぜそのクリエイティブが効果的なのか」を公の場で解説し続けてきた。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro その結果、LinkedInで150万人以上のフォロワーを持つ「Brilliant Ads」、X(旧Twitter)で19万5000人以上がフォローする「Ad Professor」、そして2万5000人が購読するニュースレターを運営。年間のオーガニックリーチは、なんと4億人以上にのぼる。
さらに彼の個人アカウントのフォロワーは約1万2000人だが、過去12ヶ月で840万インプレッションを獲得し、約200万人にリーチ。そのうち96%は、彼をフォローしていないユーザーからのものだった。
「一番興味深い数字は、いかに多くのリーチがフォロワー以外から来ているかってことだ。つまり、アイデアがすでに私を知っている人の輪を超えて広がっている証拠。コンテンツそのものが、次の人の注意を引きつけなければならないんだ」
カルムスが築いた分析フォーマットは、他のユーザーにコピーされ、アレンジされて広まることも。彼はそれを「フォロワー数とは別の評価」と捉えている。「フォロワー数は『興味があるからつながっている』ってことを示す。でも、誰かが自分の構造を使ってくれるようになったら、その手法は単なる投稿を超えて、役に立つものになったって証拠だ」
彼の分析手法は「Ad Professor Pattern Library」として体系化され、マーケターが効果的なクリエイティブを理解・構築するためのフレームワーク集に。カルムスはクリエイティブを「直感だけで生み出すもの」とは考えていない。
「クリエイティブはよくブラックボックス扱いされる。みんな最終的なアイデアだけを語って、どうやってそこにたどり着いたかを検証しないからだ。私はその思考プロセスをもっと可視化したい。何を探すべきか、どう考えるかの方法を教えられるはずだ」
特にフィンテック企業の広告には課題が多いという。「複雑な商品や規制要件のせいで、クリアで記憶に残る広告を作るのが難しい。よくある失敗は、1つの広告に詰め込みすぎること。機能、メリット、差別化ポイント、免責事項…全部入れたくなる。でも広告は、一番強いアイデアを1つ選んで、それに十分なスペースを与えた方が強くなる。抑制するのは、言うほど簡単じゃない」
この公開分析が、実際のビジネスにつながっている。Visa、Ramp、Scale AI、Gammaといった企業が、カルムスの公開コンテンツを通じてMultiplyを見つけたという。HackerRankや40以上のYコンビネーター出身スタートアップとも仕事をしてきた。
「最初の会話が変わるんだ。相手は連絡してくる前に、僕がどうクリエイティブを分析するかを見ている。何を重視しているか、どうアプローチするかが、ある程度わかった上で来る。だから初対面でも、話がスムーズに進む」
彼のアドバイスはシンプルだ。「ビジネスで必要になる前に、オーディエンスを育てておけ」。
「時間はかかる。6年分の蓄積を一瞬で作るショートカットなんてない。でもそれが価値になる。必要な時に急に注目を集めようとするんじゃなく、時間をかけて証明を積み上げていくんだ」
現在Multiplyは米国本社を設立。すでにクライアントの大半は米国にあり、カルムスは現地にチームを構築中だ。
「インターネットのおかげで、世界中どこにいても考え方を示すことができた。今は、ほとんどのクライアントがいる市場に物理的な拠点を作っている。公開コンテンツがドアを開け続ける。でも、その先で何を築けるかは、彼らに近づくことで変わるはずだ」
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