犬を飼う家庭の赤ちゃんは風邪を引きにくい? その理由が床のホコリに
「赤ちゃんには犬が必要」なんて話、これまでなんとなく聞いたことがある人もいるだろう。でも、なぜ? その答えが、なんと床のホコリの中に隠れていたらしい。
フィンランドの研究者たちが「Pediatric Allergy and Immunology」に発表した論文によると、犬を飼っている家庭の床から採取したホコリには、特定の細菌や真菌が多く含まれており、それが乳児の呼吸器感染症を減らすのに一役買っている可能性があるという。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 研究チームは、368人の子どもを生後間もなくから1歳になるまで追跡。親たちに毎週の健康状態を報告してもらい、さらに赤ちゃんが生後2カ月の時点でリビングの床のホコリを掃除機で採取。そのDNAを解析した。
すると、犬と一緒に暮らす赤ちゃんは、そうでない子に比べて発熱や耳の感染症が少なく、抗生物質を使う頻度も低い傾向がはっきりと出た。そして、その差の10〜23%は、ホコリの中にいる特定の菌で説明できることがわかったのだ。
特に注目すべきは「ペーストレラ(Pasteurella)」という細菌。これは犬や猫の口の中によくいる菌で、人間にはほとんどいない。研究では、この菌がホコリに多く存在する家庭ほど、赤ちゃんの発熱期間が短く、抗生物質の使用量も少なかったという。つまり、犬が家中を舐め回すことで菌が拡散し、結果的に赤ちゃんの免疫力を高めている可能性があるわけだ。
もう一つ、「コリンセラ(Collinsella)」という菌も優秀。こちらは「健康な週が増える」「抗生物質使用が減る」「耳の感染症が減る」「発熱が減る」の4項目すべてで良い結果と関連していた。ほかの研究では、子どもの肥満リスク低下とも関係が指摘されているらしい。
ただし、単に「菌の種類が多ければいい」というわけではない。研究者は「ホコリ中の菌の豊富さ(多様性)ではなく、犬に関連する特定の属が重要だ」と強調している。
「犬を飼う家庭は外に出る時間も増えるし、生活リズムも違うから、それだけで健康にいいんじゃない?」というツッコミもあるだろう。研究者も「これはあくまで関連性であり、因果関係を証明したわけではない」と慎重だ。さらに、1家庭につき1回しかホコリを採っていないので季節変動も考慮できていないし、赤ちゃんの気道から直接サンプルを取ったわけでもない。
ただ、子どもの免疫力が形成される生後1年は超重要期間。呼吸器感染症を繰り返すと、後々ぜんそくのリスクが上がることも知られている。この研究は、農家の子どもが家畜に囲まれて育つとアレルギーになりにくいという既存の知見と同様に、一般家庭の犬が同様の効果をもたらす可能性を示唆している。
「犬を飼いたいけど、アレルギーが心配…」という人もいるかもしれないが、少なくともこの研究を見る限り、赤ちゃんのいる家庭に犬がいることは「マイナス」ではない。むしろ、床のホコリに潜む目に見えない助っ人が、こっそり赤ちゃんを守ってくれているのかもね。
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