ハチ毒がパーキンソン病薬の効果を高める?マウス実験で驚きの結果
パーキンソン病の治療薬といえばレボドパが長年スタンダードだが、効果が弱まったり副作用が出たりと悩みも多い。そんな中、メキシコ・グアダラハラ大学の研究チームが「ハチ毒」を組み合わせるという意外な一手を試したら、マウスの動きがガラリと変わったそうだ。
研究では、ドーパミンを作る脳細胞を破壊する毒素をマウスの脳の片側だけに注入。片側だけをやられた状態にすることで、健康な側と比較しながら運動障害をチェックできる仕組みだ。マウスは4グループに分けられ、①健康な対照群、②脳損傷だけの未治療群、③レボドパ+カルビドパを投与した群、④その薬に加えて48時間ごとにフリーズドライのハチ毒を追加した群。各グループ6〜7匹と小規模ながら、初期研究としては一般的な規模だ。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro 実験では3つのテストを実施。透明な管の中での前足の使い方、狭い通路の両側からエサを取る回数、そして見慣れた物に混ぜた新しい物体に気づくかどうかの記憶テスト。レボドパだけのマウスは30日経っても片方の前足ばかり使っていたが、ハチ毒を併用したグループは健康なマウスとほぼ同じくらい両方の足をバランスよく使った。エサ取りテストでも同様で、併用群は両側から均等にエサを回収できたという。
記憶テストではさらに差が顕著に。未治療群もレボドパだけの群も、21日目と30日目には新しい物体に気づかなくなった(記憶障害のサイン)のに、ハチ毒併用群は健康なマウスと同じように新しい物を認識し続けた。ただし、論文には「併用群が治療開始前の13日目ですでに記憶テストで良いスコアを出していた」というタイミングの矛盾もあり、研究者自身もこの点は割り引いて見る必要があると認めている。
ハチ毒にはアパミンという成分が含まれており、これが脳の関門を通過できることや、神経細胞の興奮性を変える可能性が過去の研究で示唆されている。また伝統医療では炎症に使われてきた歴史もあり、脳の炎症を抑えたりドーパミン細胞を守ったりするかもしれないと著者らは推測するが、今回はあくまで仮説。実際に脳細胞を直接調べたわけではないので、なぜ効果が出たのかは不明だ。
「この研究はあくまでマウスでの短期・小規模なもの。人間で同じ結果が出るとは限らない」と著者たちも釘を刺している。それでも、レボドパだけではカバーしきれない運動と記憶の両方に効く可能性があるなら、今後の研究次第では面白い一手になるかも。パーキンソン病の治療にハチ毒が加わる日が来るのか、今後の組織レベルの検証を待ちたい。
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