血液一滴で臓器の「本当の年齢」が判明?AI分析で最大4.88年の誤差
「心臓は肺より老けてる」「腎臓は皮膚より何十年も歳をとってる」――そんな体内の“年齢格差”が、血液サンプル1本でわかるかもしれない。
研究チームは、983人の臓器組織画像と血液の遺伝子発現データをAIに学習させ、29臓器・40種類の組織ごとに生物学的年齢を推定する「組織時計」を開発。その精度は平均誤差約4.88年とかなり優秀だ。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 老化は全身同じペースで進むわけじゃない。同じ人の体内でも、ある臓器だけガクッと老け込んでいるケースがある。この研究では、例えば腎不全の患者では腎臓そのものより脂肪組織や脾臓、脳下垂体、脚の神経組織で老化が加速していた。てんかん発作の原因不明例では小脳の老化が進み、高血圧の男性では前立腺の老化が目立った。
組織の老化サインとしては、組織の萎縮や毛細血管の減少、瘢痕(傷あと)のような物質の蓄積が共通してみられた。一方で、細胞の活発な増殖を示す特徴は減少。脂肪が筋肉に入り込んだり、子宮の血管が細くなったりと、臓器ごとにユニークな変化も確認された。
より実用的なのは「血液だけで臓器の老化を推定する」方法だ。生きた人の組織を取るのは大変だけど、採血はラク。研究チームは577人の健康な人と、アルツハイマー病やクローン病、糖尿病など7つの慢性疾患を持つ628人の血液データを解析。脳卒中患者では脳の老化シグナルが強く出て、クローン病では食道から大腸まで消化管全体の老化が加速していた。アルツハイマー病では脳だけに老化シグナルが集中。嚢胞性線維症(肺の病気)でも脳の老化が進んでいたのは、酸素不足の影響かもしれないという。
「でも、これって病気になる前にわかるの?」というのが一番気になるポイント。残念ながら、この研究で使われた組織サンプルはすべて亡くなった人から採取されたもの。つまり、ある時点のスナップ写真を見ているだけで、老化が病気を引き起こすのか、病気が老化を加速するのかはまだ不明。血液検査で病気の有無を「今」見分けるのには使えても、将来の発症を予測できるかは今後の研究待ちだ。
また、データに男女比の偏り(男性が女性の約2倍)があったり、死後サンプルゆえのノイズも課題。とはいえ、「血液1本で複数臓器の年齢を同時に読む」という発想は、早期発見の未来を感じさせる。もし将来、老化シグナルが病気の前兆として使えるようになれば、手遅れになる前に臓器の劣化に気づけるかもしれない。
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