「母乳育児は母親の道徳テスト」スペイン人気インスタママの投稿が生むプレッシャー
「母乳で育てられなかったら、私ってダメな母親なの?」——そんな悩みを抱える新米ママは少なくない。でも今、インスタグラムの子育てインフルエンサー(通称ママフルエンサー)の投稿が、そのプレッシャーをさらに強めているという研究結果が出た。
スペインのポンペウ・ファブラ大学の研究チームが、現地で人気のママフルエンサー5人のアカウントに寄せられた592件のコメントを分析。すると、母乳育児は単なる栄養手段ではなく、母親の“道徳的通貨”として機能していることが浮かび上がった。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro コメント欄では「完全母乳育児=良い母親の証」という暗黙のルールが支配的で、ミルクを使う母親に対しては「怠け者」「自分勝手」といった厳しい言葉が飛び交うことも。ある投稿では「ミルク育児は楽な選択」という考えを真っ向から否定し、ミルクに頼るのは健康上の問題が強制した場合だけ、という空気が漂っていた。
母乳育児を経験した母親たちは、疲労や痛み、睡眠不足を赤裸々に語る一方で、その苦しみを「愛情の証」と捉える傾向も。あるコメントでは「2年間、夜中に7回も起きて授乳し、うつ状態になって仕事を辞めた」と告白。それでも「授乳は最もやりがいがあり、最も犠牲を伴う母親業の一部」と、苦しみを美談に変える声が少なくなかった。
父親の存在感の薄さも目立った。コメントに出てくる父親は、せいぜい「手伝い役」として登場する程度。ある母親は「夫は母乳育児のせいで関係が悪化したと責め、子どもが生後2カ月から別々に寝ている」と打ち明けている。
スペインの産休は有給で4カ月。一方、保健当局のガイドラインは完全母乳を6カ月推奨しており、このギャップに不満を漏らす声もあった。とはいえ、そうした構造的な問題を指摘するコメントはごくわずか。ほとんどの母親は「個人の努力不足」と自分を責める方向に傾いていた。
研究チームは「インスタグラムの設計上、エンゲージメントを高める投稿ほど拡散されやすく、感情的な対立をあおる構造が問題を悪化させている」と指摘。看護師や助産師の資格を持つインフルエンサーは、専門性と親しみやすさを武器に有料相談まで販売しており、その影響力は医療機関や家族を超えつつある。
「コメント欄はコミュニティというより、法廷のようだ」と研究者は表現する。母乳育児が「良い母親」の絶対条件と化した今、SNSで発信される子育て情報をどう受け止めるか、私たち一人ひとりが問われているのかもしれない。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー
今、あなたにオススメ