「ノー・サー」だけ言って死刑台へ…フロリダで38年ぶり同日2人処刑
「最後に言い残すことはありますか?」——死刑囚に向けた定番の問いかけに、68歳の男は淡々と「ノー・サー」とだけ答えた。その4分後、刑務官が肩を揺すり名前を呼んだが、彼はもう反応しなかった。
2026年7月28日、フロリダ州立刑務所で、87年に11歳の少女テレサ・マクアビーを強姦し殺害した元警察官ジェームズ・アレン・ダケットの死刑が執行された。致死薬3種のカクテル注射で、死亡が確認されたのは正午過ぎ。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro そして同じ日の夜、今度は80歳のドミニク・オッキオーネが同じ刑務所で処刑された。86年に元恋人の両親レイモンドとマーサ・アーツナーを射殺した罪だ。彼は「復縁したい」と元恋人の家を訪ね、拒否されたことに逆上。電話線を切ってから父親を射ち、母親も殺害した。裁判では計画的犯行を否定したが、陪審は認めず、40年間ずっと死刑囚として過ごしてきた。
フロリダ州最高裁が同日朝に全ての最終上告を却下したことで、オッキオーネの処刑は強行された。彼はフロリダ州の歴史上最年長の死刑執行対象となり、全米でも18年に83歳で執行されたウォルター・ムーディに次ぐ高齢での処刑となった。
同日に2人を処刑する「ダブル・エクセキューション」が行われたのは、フロリダ州では1964年以来実に62年ぶり。全米で見ても、17年にアーカンソー州が連続執行して以来のことだ。
背景には、フロリダ州知事ロン・デサンティスの姿勢がある。彼は「多くの家族が長すぎる間、正義を待ってきた」と語り、死刑執行のペースを積極的に上げている。実際、26年に入ってから同州だけで11人が処刑され、全米の死刑執行数の約半分を占めるまでになった。全米では20年以上にわたって死刑執行が減少傾向にあったが、フロリダの“攻勢”で数字が再び上昇に転じている。
「ノー・サー」で幕を閉じた男と、40年近く生きながらえた男。同じ日に同じ方法で命を絶たれた2人の最期に、皮肉な符合を覚える人も少なくないだろう。
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