抗生物質は「最後まで飲み切れ」はもう古い?約9割が今も信じる定説に科学が待った
「風邪で抗生物質をもらったら、症状が良くなっても最後まで飲み切れ」。小さい頃から医者や学校で刷り込まれてきたこの“鉄則”、実は科学的にはもう古いかもしれない。米国で行われた最新の意識調査(1475人対象)が、その驚きの実態を浮き彫りにした。
まず衝撃的なのは、実に約88%の人が「たとえ気分が良くなっても、処方された抗生物質は必ず飲み終えるべき」と答えたこと。さらに約60%は呼吸器系の細菌感染症の治療には「7日以上」の長期コースを好むと回答。要は“長く飲めばより効果的”という“安全策”信仰が根強いのだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon しかし、医学界の常識はここ10年で大きく変わっている。120以上の臨床試験が、肺炎など一般的な細菌感染症では、実は短期間の投与(3〜5日)が長期と同等に効果的で、しかも副作用が少なく、薬剤耐性菌のリスクも高めないことを示しているのだ。つまり「長ければ良い」は誤解で、「飲み切れ」は時代遅れのスローガンになりつつある。
なぜこんなにギャップが生まれたのか。調査によれば、76%もの人が「医師から最後まで飲めと言われた」と回答。さらに61%はポスターやCMなどの公衆衛生キャンペーンで同じメッセージを聞いていた。つまり1940年代のペニシリン登場以来、半世紀以上にわたって医療現場とメディアが一体となって「飲み切れ教」を刷り込んできた結果なのだ。
一方で、希望の光もある。医師から「良くなったら止めていいよ」と言われたら「まあ安心できる」と答えた人は59.2%にも上った。つまり患者は医師を信頼しており(全体の93%が医師のアドバイスを信頼)、きちんと理由を説明すれば、新しい指針を受け入れる余地は十分にあるのだ。
研究者は「『飲み切れ』から『症状が治まったら医師に相談して止める』へ、スローガンを単にすげ替えるのではなく、科学が進歩した結果だと丁寧に説明することが大事」と指摘。また「短い治療をどんどん処方して“当たり前”にすれば、患者も自然と慣れる」と提案している。
もちろん「勝手に自己判断で薬をやめるな」という大前提は変わらない。あくまで医師の指示の範囲内での話。とはいえ「最後まで飲め」という呪文が、もう科学的根拠に基づいていない可能性があるという事実は、ちょっとした衝撃だ。あなたも今度、風邪で抗生物質を処方されたら、医者に「これ、本当に最後まで必要ですか?」と聞いてみる価値はあるかもしれない。
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