34%がAI回避のため進学、22%が専攻変更…就職氷河期に怯える米大生のリアル
「卒業=ゴール」と思っていた大学生たちが、今や「卒業=スタートライン」に立たされている。しかもその先には、AIに仕事を奪われるかもしれない不安が待ち構えている。
米国の大学生2000人を対象にした調査で、卒業後の就職市場に「楽観的」と答えたのはわずか45%。実に69%が「AIによる雇用終末(ジョブ・アポカリプス)」を恐れ、仕事を見つけるのが難しくなると感じているという。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー AI企業スーパーヒューマンが依頼し、トーカー・リサーチが実施したこの調査。結果は単なる「不安」では済まされないレベルだった。なんと34%の学生が「AIに仕事を奪われないため」にあえて高等教育の学位を取ろうとしており、22%は専攻や履修分野を変更、12%はキャリアそのものを軌道修正している。
「学位を保険として使う」という発想。自動化の影が差す分野から、より「機械に置き換えられにくい」領域へと舵を切る学生たち。彼らは今まさに、自分の人生設計をリアルタイムで編集しているのだ。
さらに、91%もの学生が「通常の授業以外で新しいスキルを身につけようとしている」と回答。教室の単位だけでは、これからの厳しい労働市場に対抗できないと悟っている証拠だろう。
面白いのはここから。彼らは恐怖の対象であるAIから逃げるのではなく、むしろ積極的にAIを活用し始めているのだ。43%がAIを使って新しいスキルを学んでおり、58%は「キャリアにAI学習は不可欠」と回答。なんと48%は「AIを倫理的かつ責任を持って使うこと」こそが大学で身につけるべき最も重要なスキルだと考えている。
スーパーヒューマンの教育責任者ジェニー・マクスウェル氏はこう語る。「AIは世界に巨大な影響を与えており、変化する就職市場で成功しようとする大学生にとっては怖い存在です。しかし、学生たちはAIを効果的に使う方法を学ぶことが、『雇用終末』に対する最強の防御策だと理解しています。仕事を奪うのはAIではなく、AIを使いこなす人間なのです」
ただし、学生たちもAIへの過信には警鐘を鳴らしている。69%が「AIと自分の思考力のバランスが重要」と答え、81%は「AIへの過度な依存で批判的思考力が失われるリスク」を認識。彼らがAIに求めるのは「文章のスペルや文法チェック(54%)」「締切リマインダー(40%)」など、あくまでサポート役。自分の頭で考える主導権は手放したくないようだ。
マクスウェル氏は「学生たちはAIを思考を代わりに行わせる道具ではなく、自分を強化する道具として捉えている」と分析する。
調査にはもちろん限界もある。これはあくまで学生の「気持ち」や「意図」を聞いたもので、実際の雇用市場の動向を示すものではない。また調査を依頼したスーパーヒューマンはAIツールを販売する企業であり、結果に商業的な利害が絡む点は割り引いて見る必要がある。
それでも、AIと共に育った世代が「機械から離れること」ではなく「機械の隣に立つこと」を安全策と選んだ事実は、これからの働き方や教育の在り方に一石を投じるだろう。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon
今、あなたにオススメ