「犯罪者だけを標的に」はウソ?トランプ政権下で無罪の移民摘発が急増、データが示す衝撃の実態
「不法移民を取り締まれば治安が良くなる」――そんな政府の主張と現実の間に、大きなギャップがあることが明らかになった。
コロラド大学ボルダー校とカリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、米移民関税執行局(ICE)の約160万件の逮捕記録を分析したところ、トランプ政権第2期に入って逮捕件数は過去最高を記録した一方、逮捕された人のうち刑事裁判で有罪判決を受けていた人の割合が、わずか34%にまで低下したことがわかった。つまり、摘発された人の大半は「犯罪歴なし」だったのだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究は2015年10月から2026年3月10日までの行政データを分析。第1次トランプ政権前のICEは1日平均304件の逮捕だったが、第1次政権では436件(43%増)、第2次政権ではなんと952件と、3倍以上に跳ね上がった。
ところが、逮捕数が増えるほど「有罪判決あり」の割合は下がり続けた。第1次政権では14.2ポイント低下、第2次では20.6ポイント低下。研究者が「 intensified immigration enforcement(強化された移民執行)の正当化と、実際に拘束されている人の実態との間に、根本的なミスマッチがある」と指摘するのも納得だ。
なぜこうなったのか。ICEの逮捕方法にも大きな変化があった。第2次政権では、ICE職員が直接地域に乗り込んで行う「 neighborhood arrests(近隣逮捕)」の割合が、政権交代前の17%から47%に急増。一方、地元警察との協力を通じた逮捕は減少した。この「近隣逮捕」はもともと有罪判決を受けた人の割合が低い手法で、さらにその中でも有罪率は10ポイント下落。協力型の逮捕でも16ポイント下がった。つまり、手法の問題ではなく、ICE自体が「誰を標的にするか」を変えたのだ。
地域差も顕著だ。サンディエゴでは有罪率が34ポイントも急落し、ワシントンD.C.で28ポイント、フィラデルフィアで27ポイントの低下。特にカリフォルニアやニューヨークなど、「 sanctuary jurisdictions(聖域管轄区域)」と呼ばれる、連邦の移民執行に協力的でない地域で、ICEの直接的な摘発が集中した。
「記録的な摘発数」「逮捕手法の変化」「標的の変化」――この3つが重なり合い、結果的に「犯罪者を排除して安全を守る」という政府の主張とは真逆の現実を生み出している。研究者は「このデータは、国民に問いかける」と結論づけている。
もし本当に治安が目的なら、なぜ無罪の移民をこれほど大量に捕まえているのか。その答えは、数字の裏に隠されている。
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