「脂肪燃焼中」を息でチェック!スマホ連携ケトン体測定器の実力
ダイエット中や筋トレ後に「今、体が脂肪を燃やしてるのかな?」と気になったことはない?そんな疑問を、スマホに繋いだ小さな機械に息を吹きかけるだけで解決してくれる時代が来るかもしれない。
スイスのETHチューリッヒとチューリッヒ大学病院の研究チームが開発したのは、手のひらサイズの呼気アセトン検出器。脂肪が燃焼するときにできるケトン体の一種、アセトンを呼気から検出する。アセトンって聞くと除光液を思い浮かべるけど、微量なら人間の息に自然に含まれているものなんだって。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー この装置のすごいところは、従来なら大型で高価な質量分析計が必要だった測定を、家庭のキッチンカウンターに置けるサイズにしたこと。312もの呼気サンプルを12人の健康な成人でテストした結果、ラボ用の高級質量分析計とほぼ一致する数値を叩き出した。
使い方も簡単。スマホのアプリが息の吐き方をリアルタイムでガイドしてくれる。円が膨らんだり縮んだりするから、適切な圧力で息を吹き込むだけでOK。肺活量を最初に測定しておけば、最も血液中の状態を反映する「息の最後の方」を自動でキャッチしてくれる。なんと、同じ人が5回連続で測定しても誤差はたった3%程度。これは技術者がいなくても安定した結果が出せるってことだ。
実際の反応はどうか。被験者に一晩絶食させてから高強度の運動をしてもらうと、運動後のアセトン値は運動前の約5倍に跳ね上がった。その後、炭水化物たっぷりのご飯を食べると急降下。逆に断食を続けたり、脂質たっぷりの食事を摂ると上昇し続けた。3週間にわたる食事介入テスト(普通の食事→ケトジェニック→断食)でも、ケト食に入った途端にアセトン値が急上昇し、パターンははっきり出た。
ただし、注意点もある。この研究はあくまで装置の精度検証が目的で、「これを使えば痩せる」とか「運動能力が上がる」という効果は一切検証していない。被験者も20〜37歳の健康な大人だけ。糖尿病や肥満の人でどうなるかは、これからの研究待ちだ。
それでも、血糖値のリアルタイム測定が糖尿病患者の生活を劇的に変えたように、脂肪代謝を手軽にトラッキングできるツールは、栄養管理や研究の現場で大きな可能性を秘めている。指を刺すのが嫌いな人、毎日の脂肪燃焼状態をチェックしたい人には、まさに待望のガジェットになりそうだ。
ちなみに、この技術はすでに「Nutrion」という製品名で市販化されているらしい。研究チームのメンバーが関わるスタートアップが手がけていて、ETHチューリッヒも特許を持っている。もっと大規模な臨床試験を経て、本当に使えるツールになるかどうか。今後の展開に注目だ。
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