21歳の天才エンジニアが語る「AI時代に本当に必要なスキル」
「みんな、コードを速く書くことがボトルネックだと思っている。でも多くの製品では、正しい問題を見つけることのほうがずっと難しいんだ」
こう語るのは、21歳のファウンディングエンジニア、コンスタンチン・マルンチェンコ。彼は今、エンタープライズ向けAIパイプラインを開発するスタートアップ「Echelon」で、AIの可能性と限界を目の当たりにしている。
夜用眼鏡が運転手の間でますます人気になるナイトライダー 「AIがすべてのソフトウェアを作る」という未来予測が流行る中、彼は真っ向から反論する。確かにAIはコードを生成できる。だが、コードを書くことと、顧客が本当に求めているものを理解することはまったく別の話だ。
「モデルは機能を書ける。でも、その機能がなぜ顧客にとって重要なのかは、自動では理解できない」
コンスタンチンは8歳でプログラミングを始め、12歳で大人と一緒にコースを修了。14歳で初めての仕事を得て、高校在学中から働いていたため大学には進学しなかった。15歳でモバイルゲーム会社を立ち上げ、4年間従業員を抱えて経営した経験もある。
そのゲーム業界での経験が、彼の考え方を大きく変えた。テストでの成功率は60分の1から100分の1程度。作れることと、人が欲しがることは別物だと痛感したという。
「ゲーム業界では、『作れるからといって人が気にかけてくれるわけではない』ってことをすぐに学ぶ。それがソフトウェアに対する考え方を変えたんだ」
現在、彼がEchelonで取り組むのは、大企業の複雑なデータの中から価値あるシグナルを見つけ出し、数百万ドル単位のコスト削減につなげるAIパイプラインの構築だ。文書処理、ERPデータの解析、従業員のカレンダーやメールからのシグナル抽出など、扱うデータは多岐にわたる。
「エンタープライズソフトウェアは企業の現実の中に生きている。その現実を理解しなければ、どんなにスマートに見えるプロダクトでも間違ったものになる」
コンスタンチンが強調するのは、AI時代だからこそ「発見」のプロセスが重要になるという点だ。コードを生成するAIが増えれば、間違ったものを簡単に作ってしまうリスクも高まる。勝敗を分けるのは、より多くのコードを生成できるチームではなく、ユーザーをより深く理解したチームだという。
「勝つ会社は、より良いコードを持っているだけじゃない。ユーザーのことをもっとよく知っている」
エンジニアリングは孤独な作業だと思われがちだが、彼の見解は違う。良いエンジニアは質問をし、仲間と話し、顧客の声に耳を傾け、リクエストの裏にある前提を見抜く。
「エンジニアリングは思われているよりずっと社交的だ。問題を十分に理解していなければ、コードはただのコードでしかない」
顧客は最初に表面だけの問題を説明することが多い。本当の問題は、会話や観察、繰り返しのテストを経て初めて見えてくる。特にエンタープライズの現場では、デリケートなビジネス課題をAIよりも人間に打ち明けたいという心理が働く。
「人は、相手が自分のビジネスを理解しようとしていると信じたときに、違う話し方をする。その会話そのものがプロダクトの一部なんだ」
AIがコード生成を自動化しても、本当の問題を見つけ出し、適切な解決策を発明し、ユーザーの世界にフィットするプロダクトに仕上げる仕事は、人間に残り続ける。コンスタンチンは、その未来を静かに、しかし確信を持って見据えている。
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