「天然」「無毒」表示の98%に未記載の化学物質、85%に健康リスク物質
「ナチュラル」「無毒」「無香料」――。そんな安心感のあるラベルを信じて毎日使っているシャンプーや洗剤、実は中身が全然違うかもしれない。
環境衛生ジャーナル『Environment & Health』に掲載された最新の研究が、ちょっと衝撃的な結果を出した。なんとテストした113製品のうち98%に、ラベルに書かれていない化学物質が含まれていた。しかも85%には、健康被害が知られているか、その疑いがある成分が潜んでいたという。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 研究チームは、従来の「疑わしい物質だけをチェックする」方法ではなく、一度に何千もの化学物質をスキャンできる高度な分析技術(ノンターゲット分析)を採用。その結果、製品1つあたりの平均表示成分数は16個だったのに対し、検出された化学物質のシグナルは平均51個。実に3倍以上の“隠れ成分”が見つかったことになる。
そして全体の57.5%が、研究者の定めた「ハザードベースの汚染スクリーニング」で不合格に。健康志向の消費者を狙った「ナチュラル」「無毒」と謳う製品も軒並み引っかかっている。
さらにややこしいのが、ラベルと中身のミスマッチだ。113製品中29製品(約26%)で、「100%天然」と書いてあるのに合成化学物質が入っていたり、「無香料」なのに香料成分が検出されたり。ただし研究者いわく、これは意図的な偽装とは限らない。原材料や製造工程、包装の段階での“コンタミネーション”(汚染混入)が原因の可能性もあるという。特にサンプルは2021〜22年、パンデミックによるサプライチェーン混乱期に購入されており、少なくとも1社は時期に仕入れ先が変わったことを認めている。
「小規模ブランドのほうがクリーン」というイメージも、今回の調査では覆された。企業規模別に見ても、どのカテゴリーでも50〜60%が不合格。小規模ブランドは表示は丁寧だったが、汚染問題は広く横断的に存在していた。
唯一の救いはオーラルケア製品。歯磨き粉やマウスウォッシュは全製品がパス。研究者は「フッ素入り歯磨き粉はOTC医薬品扱いで規制が厳しいからでは」と推測するが、サンプル数が少ないため確証はない。
ちなみに研究チームは「検出=健康被害が起きた」というわけではない、と慎重だ。あくまで化学物質の“ハザード(危険性)”を評価したもので、実際に誰かが病気になったことを示すものではない。またこの分析手法は揮発性の高い軽い化合物に強く、不揮発性の物質は見逃している可能性もある。
米国では化粧品規制が欧州連合(EU)に比べて緩いとされ、2022年に近代化法が成立したものの、製品完成後の化学テストまでは義務づけられていない。研究者は「ノンターゲット分析を標準的な検査にすべき」と訴えるが、現状でそれを実施しているのは彼ら自身だけ。メーカーに問い合わせても、大半は返事すらなかったという。
「ラベルを信じて選んでいるのに、中身を確かめる方法が独立したテストしかない」――この研究は、日々何気なく手に取る製品への信頼に、静かで大きな疑問符を投げかけている。
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