たった数回のセッションでPTSDが消える?カナダ人セラピストの革命的手法
「またあのソファに座って、同じ話を繰り返すのか…」
そんなふうに思ったことはないだろうか。何ヶ月も、あるいは何年も通って、セラピストに話を聞いてもらい、「時間が解決する」「プロセスを信じて」と言われ続ける。でも、本当に「治った」という実感がなくて、ただ「なんとかやり過ごす」「うまく対処する」ことだけを求められている気がする。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon カナダの登録ソーシャルワーカーで、米国でも臨床ソーシャルワーカーの資格を持つシェリ・ジョンソンは、そんな「出口の見えないループ」に疑問を抱いてきた。彼女はカルガリー大学で修士号を取得し、現在は同大学の准教授も務める。さらにヨークビル大学で大学院生の指導も行い、フェアリー・ディキンソン大学では修士課程のプログラム設計コンサルタントも担当する、まさに業界のプロフェッショナルだ。
彼女が転機を迎えたのは2019年。ブレインスポッティングやEMDRといった「脳ベース療法」に出会ったのだ。これは、意識的な会話や論理ではなく、トラウマが実際に保存されている潜在意識レベルの脳に直接働きかける手法。従来のトークセラピーとは根本的にアプローチが違う。
最初は無料で提供したという。だって、「数年かかると言われているPTSDを数回で治せます」なんて言っても、誰も信じてくれないから。ところが、実際に効果は出た。フラッシュバックが消え、悪夢が止み、何十年も抱えてきた罪悪感や恥の感情が、数回のセッションで消えていったのだ。
面白いエピソードがある。シェリが研修中に出会った別のセラピストは、同じように即効性のある方法を使ったせいでクリニックをクビになったという。患者があまりにも早く良くなりすぎて、クリニックがリピート客を失うのを恐れたからだ。
しかしシェリは「結果がすべてを物語っている。人々は効果的な治療を求めている」と言い切る。彼女が2019年に設立した「FreeMind Therapy」は、2022年から拡大を始め、年間約80%の成長を遂げている。これはオンラインセラピー業界全体の約6倍のスピードだ。
実際の事例も紹介されている。幼少期のトラウマからくる恥の感情に悩んでいた女性は、2.5時間の集中セッションを1回受けただけで、何年も続いたその感情が「ただ消えた」という。また、レース前に恐怖に襲われていた男性は、根本原因に対処した結果、その週末に表彰台に立った。その後も好成績が続いているという。
「これは奇跡じゃない。ただ、問題が保存されている脳のレベルで治療が機能しただけ」とシェリは言う。
もしあなたがこれまでセラピーを受けて「あまり変わらなかった」と感じているなら、それはあなたのせいではないかもしれない。単に、変化が起きるレベルで脳に働きかける方法を誰も試していなかっただけなのだ。
FreeMind Therapyは現在、カナダ全土に加え、米国フロリダ、ニューヨーク、マサチューセッツでもサービスを提供している。「何年も通い続ける」ではなく、「治ったからもう来なくていい」と言えるセラピー。そんな世界が、案外すぐそこまで来ているのかもしれない。
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