「中道」が実は両陣営から敵扱いされる心理的ワケ
「どっちつかず」でいるのは、実はめちゃくちゃ危険かもしれない。
フロリダ大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが発表した論文によると、ある問題で意見が真っ二つに割れているとき、両陣営は中道派を「敵側」に分類しがちだという。タイトルは『Whoever Is Not With Me Is Against Me(私と共にない者は、私に敵対する者である)』。まさにその通りの結果が出た。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究では合計3272人の参加者を対象に、中絶政策、2024年大統領選、イスラエル・パレスチナ紛争という3つのホットなテーマで実験を実施。たとえば中絶問題では、「妊娠4週・8週・12週までなら認める」という穏健な政策を、中絶反対派の人は「中絶賛成寄り」と評価し、中絶賛成派の人は「中絶反対寄り」と評価した。つまり、どちらから見ても「あいつはあっち側」扱いされるのだ。
この傾向は、自分の意見が極端であればあるほど強くなる。「確実に中絶反対」と答えた人は「だいたい反対」の人より、穏健政策をより強く「賛成側」に押しやった。逆もまた同じ。
なぜこんなことが起きるのか。研究チームは2つの仮説を検証した。「自分の側を十分に支持しないから排除する」のか、「相手側を非難しないから排除する」のか。結果は後者。つまり「敵を叩かない」ことが、中道派が「敵」認定される最大の理由だった。
2024年大統領選の直前に実施した実験では、トランプとハリスを「同じくらい支持する」と答えた仮想の人物を、リベラル派は「保守寄り」、保守派は「リベラル寄り」と判定。さらに、この効果は「選挙を道徳問題と捉え、かつ相手候補の勝利を脅威と感じる」人に限って現れた。
研究チームは「中道メディアも同じ運命をたどるかもしれない」と指摘。バランスの取れた報道は、どちら側からも「敵の味方」と見なされ、両方から嫌われる可能性があるという。ただしこれはあくまで仮説で、今後の検証が必要とのこと。
「中道こそが橋渡し役」という長年の政治理論に、心理学的な壁が立ちはだかっている。
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