天才扱いされ過ぎ?子どもの科学者伝記が逆効果という衝撃研究
子どもの頃、科学者の伝記を読んで「自分もこんな風になりたい!」と思った人も多いはず。でも、あの本たち、実は逆効果かもしれないって知ってた?
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の教育心理学教授ジェシカ・グラッドストーンさん率いる研究チームが、Amazonで売れてる子どもの科学者伝記422冊を徹底分析。その結果、科学者の能力や興味が「生まれつきの才能」として描かれているケースが多く、これが子供たち、特に女の子やマイノリティの子どもを遠ざけている可能性があると警告したんだ。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 例えば、ある伝記では数学者のエイダ・ラブレスが3歳で日記に方程式を書きまくっていたと紹介されている。でも、現実の3歳児ってブロック遊びやお絵かきがせいぜいでしょ?グラッドストーン教授は「3歳児はブロックで遊びながら数字を覚えるのであって、ラブレスがやってたようなことはしない。だからといって、その子が立派な科学者になれないわけじゃない」とバッサリ。
研究チームが655人の科学者を描いた1355件の描写を調べたところ、科学的能力について「生まれつきの才能」と「努力で培われるスキル」の両方がほぼ同じ頻度で登場。ただ、このミックスメッセージが問題で、「才能は先天的」というメッセージの方が強く残りやすいんだとか。さらに、科学への興味はほぼ「生まれつき固定」と描かれ、小さな頃から科学に夢中だったエピソードがやたら多い。これじゃあ「自分はもう遅い」「科学は自分向きじゃない」と諦める子が出てもおかしくない。
特にヤバいのが分野ごとの差。物理・工学・コンピューターサイエンスの科学者を扱った本は、生物学や環境科学の本より「生まれつきの才能」を強調する傾向が強かった。グラッドストーン教授も「物理や工学では『成功するには生まれつきの才能が必要』という思い込みが強い。それが子ども向けの本にも反映されていた」と指摘。これらの分野はもともとジェンダーや人種の格差が大きいのに、そんな描き方をしてちゃ格差を広げるだけだよな。
そして衝撃的なのが女性科学者の扱い。男性科学者の伝記より女性科学者の伝記の方が、努力や勤勉さを強調する割合が圧倒的に高かったんだ。研究では女性科学者が直面した困難(実験失敗や家族の反対、差別など)を考慮しても、この差は消えなかった。つまり「女性の成功は努力の賜物」と描かれやすい一方、男性は「生まれつきの才能」と見なされがち。科学の世界では「努力せずにできた」方が評価される傾向があるから、この描き方は無意識のバイアスを強化しかねない。
ニューヨーク大学の心理学教授で共著者のアンドレイ・チンピアンさんは「科学者伝記は大人気ジャンルで、何百万人もの子どもが読んでいる。感動させようという意図は分かるが、何が感動的かの基準は著者の直感任せ」とバッサリ。
じゃあ伝記を全部捨てろってこと? そうじゃない。グラッドストーン教授は、宇宙物理学者ニール・ドグラース・タイソンの伝記を例に挙げる。あれは彼が科学にたどり着く前にバレエやボクシングに興味を持っていたエピソードを紹介していて、「興味が後から育った」パターンが描かれている。こういう「努力で能力は伸びる」「失敗は学びの一部」と感じさせるストーリーの方が、子どもにとってはよっぽど励みになるはず。
「科学者を子どもにとって親しみやすく、『自分もああなれるかも』と思えるように描くべき」と教授も主張。どうやら、あのキラキラした天才伝記を鵜呑みにするのは、ちょっと待った方が良さそうだ。
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