スクリーンタイム制限だけでは意味なし?3800人調査で判明した意外な事実
「1日1時間まで」というスクリーンタイムの制限。多くの家庭で当たり前のように実践されているこのルール、実は根本的に見直す必要があるかもしれない。
スコットランドで行われた約3800人の子どもを10年にわたって追跡した大規模研究が、『JAMA Network Open』に掲載された。この研究、親子関係の質や家庭の経済状況などの要素を考慮に入れると、スクリーン使用時間と子どもの情緒的・行動的問題の間に一貫した関連性が見られなかったというのだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究は、スコットランド政府が資金提供する「Growing Up in Scotland」プロジェクトのデータを分析。5歳、10歳、15歳の時点で、学校外でのスクリーン使用時間と情緒的健康、行動、社会性の発達を測定した。
最も衝撃的だったのは10代のデータだ。なんと、SNSやメッセージアプリを1日1時間以上使っている10代は、1時間未満の同世代と比べて、情緒的・行動的困難を示す割合が低かったのである。もちろん研究者たちは「SNSをほとんど使わない10代は、そもそも情緒面で異なる特徴を持つ可能性がある」と慎重に注釈を付けている。
ただし、ゲームに関しては別だ。15歳で1日5時間以上ゲームをする子どもは、1時間未満の子どもより明らかに情緒的・行動的困難のリスクが高かった。
研究チームが特に強調するのは、親子関係の質を統計モデルから外すと、スクリーンの「悪影響」が大きく見えるという点。つまり、これまでスクリーンのせいだとされてきた問題の多くは、実は家庭環境や親子関係が原因だった可能性が高いということだ。
「スクリーンタイムを1時間に制限すればOK」という単純なルールは、子どもが何を見ているか、なぜ見ているか、親がどの程度関わっているかといった、もっと本質的な要素を見落としている。
もちろん、これは「スクリーンは無害」と言っているわけではない。5歳で1日5時間以上スクリーンを見ていた子は10歳で問題が目立ったが、15歳ではその影響は消えていた。また、今回の研究ではネットいじめや有害コンテンツへの暴露といったリスクは調査対象外だ。
研究者たちは「時間だけに焦点を当てる政策は、ピアコネクションや学習機会といったスクリーンの利点を見落とす可能性がある」と警鐘を鳴らす。オーストラリアでは16歳未満のSNS利用を制限する動きがある一方、イギリスでは時間制限に加えてコンテンツの質や親の関与に関するガイドラインを導入している。
「1日◯時間」と決めるだけでは、子どもの心を守れない。大事なのは時計を見ることより、子どもの隣に座って一緒に画面を見ることかもしれない。
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