たった90分の睡眠不足で体重が増加、でも脂肪は増えていない?コロンビア大学研究
「寝る時間を削るくらいどうってことない」――そう思って夜更かしをしている人に、ちょっと待ったをかける研究結果が出た。
米コロンビア大学アービング医療センターの研究チームが、95人の成人を対象に実施した実験によると、毎晩の睡眠を約90分減らす生活を6週間続けただけで、体重が平均で約0.5kg増加したという。しかも、体脂肪率には変化が見られなかったのに、だ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究者たちは参加者を2つのグループに分けず、全員に「十分な睡眠をとる期間(6週間)」と「就寝時間を約90分遅らせる期間(6週間)」の両方を体験させるクロスオーバー実験を実施。手首に装着する活動量計で睡眠と活動を24時間記録し、MRIスキャンで体組成の変化も測定した。
結果は明確だ。睡眠不足期間の終了時、参加者の体重は十分な睡眠をとった後よりも平均で約0.5kg増加。ウエスト周囲径も約0.5cm拡大し、MRIで測定した全身の体積も増えていた。
しかし、ここからが意外な展開。体脂肪率と骨格筋率には検出可能な変化がなかったのだ。つまり、体重は増えたのに「脂肪が増えた」わけではない。研究者たちはこの謎に首をかしげている。
睡眠不足期間中、中程度から活発な運動の時間は変わらなかったが、座位時間は1日あたり17分以上増加。食欲を調整するホルモン「レプチン」は体重増加に合わせて上昇したが、空腹を知らせる「グレリン」や満腹感に関わる「GLP-1」には有意な変動は見られなかった。
参加者の1日の総エネルギー消費量を測定したサブグループ(34人)でも、睡眠条件による差はなし。つまり、起きている時間が長い分カロリーを余計に消費しているわけでもない。
研究チームは食事量を直接追跡していないため、なぜ体重が増えたのか完全には説明できていない。ただ、座位時間の増加とともに、何かをつまむ機会が増えた可能性は十分考えられる。
「この程度の軽度な睡眠不足は、成人の約78%が経験する日常的なもの」と研究者は指摘。クリニシャンは体重管理の会話に睡眠時間を組み込むべきだと結論づけている。
もちろん、1回の夜更かしで代謝が崩れるわけではない。今回の体重増加量(約0.5kg)は、若年・中年成人に見られる年間の典型的な体重増加量と同程度だ。
問題は、「脂肪が増えていないのに体重が増えた」という不可解な点。研究者たちは6週間という期間が体組成の変化を捉えるには短すぎた可能性も認めているが、睡眠を削る代償は、単なる「脂肪の蓄積」以上のものかもしれない。
スケジュールが詰まったときに一番切り捨てられがちな睡眠時間。この研究結果は、その習慣に小さな疑問符を投げかけている。
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