湿疹に抗ヒスタミン薬はほぼ効かず、むしろ認知機能低下のリスクも 大規模分析で判明
「湿疹がかゆいから」と抗ヒスタミン薬を飲んでいる人、その効果はほぼ期待できないかもしれない。しかも古いタイプの薬は認知機能を低下させるリスクがあるという。
47のランダム化比較試験、6230人の患者データを統合した大規模分析が医学誌『The BMJ』に発表された。結果は衝撃的だ。抗ヒスタミン薬は湿疹の症状に対して、患者が実感できるほどの改善をほとんどもたらさないという。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 特に、ベナドリル(ジフェンヒドラミン)やヒドロキシジンといった第一世代の抗ヒスタミン薬は、認知機能障害(記憶力や運動能力の低下、混乱、せん妄、幻覚など)を起こす可能性が高いことが判明。副作用で治療を中止する患者も増える傾向にあった。
湿疹(アトピー性皮膚炎)は子どもの約13%、大人の約7%が悩む慢性の炎症性皮膚疾患。強いかゆみで睡眠を妨げ、精神的健康や家族関係にも悪影響を及ぼす。これまで英国では20%超、米国では47%の患者が抗ヒスタミン薬を使っていたという。
なぜ今まで効くと思われていたのか? 免疫反応で放出されるヒスタミンがかゆみや炎症を引き起こすという理論は一見正しそうに思えた。しかし現在の科学では、湿疹のかゆみはヒスタミンとは無関係の経路で起こることが判明。今回の研究はそれを裏付ける結果となった。
新しい抗ヒスタミン薬(セチリジンやロラタジンなど)でも、かゆみや症状の重症度をわずかに下げる効果は測定できたが、患者が実感できる閾値には届かなかった。
気になるのは認知機能への影響だ。非眠気(ノン・ドロウジー)とされる新世代の薬でも差がある。ロラタジン(商品名クラリチン)は認知機能障害の増加なし。一方、セチリジン(ザイテック)は1000人あたり17人、レボセチリジンは同16人の認知機能障害が追加で発生。第一世代は同66人増という推定値だ。
研究者は「抗ヒスタミン薬の使用は、現在ではほとんど不要」と結論づけている。効果的な外用薬や、重症例向けの生物学的製剤・低分子治療薬が登場したからだ。
ただし、じんましんや花粉症など抗ヒスタミン薬が効く他のアレルギー疾患を併発している場合は、そちら目的で継続する意義はある。また、眠気を期待してあえて古い薬を使いたい人もいるが、睡眠改善効果は確認されていないという。
この研究は米国アレルギー・喘息・免疫学会と米国アレルギー・喘息・免疫学会の合同ガイドライン策定のために行われた。今後の診療指針が変わる可能性が高い。
湿疹の治療を変更したい場合は、必ず医師に相談してほしい。自己判断で薬をやめるのは危険だ。
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