甘党ほどギャンブルが苦手?研究で判明した「即報酬バイアス」の正体
甘いものに目がない人は、単にデザート好きというだけでなく、お金の選び方にも独特のクセがあるらしい。
ロシアの研究チームが「Frontiers in Psychology」に発表した論文によると、強い甘味を好む「スイートライカー」は、ギャンブル的な選択でリスクを避け、待たずにすぐ手に入る報酬を選ぶ傾向が強いという。ただし、これは単なる「せっかち」とは違うようだ。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー 研究では、参加者に濃度の違う砂糖水を飲んでもらい、最も甘い濃度を「一番おいしい」と評価した人をスイートライカー、低い濃度を好んだ人をスイートディスライカーと分類。その後、2種類の実験を行った。
第1実験(49人参加)では、確実にもらえる金額と、より大きいけど不確実な金額を選ぶ宝くじ形式のタスクと、風船を膨らませて稼ぐゲームを実施。スイートライカーは明らかにギャンブルを避け、確実な方を選んだ。ただし風船ゲームでは差が出ず、研究者は「宝くじは確率が明示されているのに対し、風船ゲームは経験から学ぶタイプのリスクで性質が違う」と分析している。
第2実験(100人参加)では、待ち時間や金額の違う170通りの選択肢から「すぐ少額」か「待って多額」かを選ぶ課題を実施。すると、スイートライカーは両方の選択肢に待ち時間がある場合は、むしろ我慢して大きい報酬を選んだ。しかし「今すぐもらえる」選択肢がある場合、そちらを強く好んだのだ。
つまり彼らは「とにかく待てない」わけではなく、「今ここで確実にもらえるもの」に飛びつく「即時性バイアス」を持っている。論文の著者は「報酬への敏感さが、最も目立ち確実な選択肢に注意を向けさせる」と説明する。
さらに重要な発見が、第2実験で参加者のリスク許容度を統計的に補正したところ、甘味嗜好と即時報酬選好の関連がほぼ消えたこと。つまり「待つことの不確実さを嫌う性質」が、衝動的に見える行動の裏に隠れていた可能性がある。
実際、性格検査ではスイートライカーとそうでない人の間に、衝動性や新奇性追求で有意差はなかった。外からは「衝動的」に見えても、実は「不確実な未来より確実な今」を選ぶ慎重派というわけだ。
「甘党は衝動的」というイメージは、もしかすると見当違いかもしれない。むしろ彼らは「藪の中の2羽より、手の中の1羽」を確実に掴みたいタイプ。研究は、甘味嗜好が脳の報酬系の感受性を示す生物学的マーカーになる可能性も示唆しており、今後の応用が期待される。
ただし論文も認める通り、参加者は大学生中心で人数も少なく、スイートライカーの割合自体が低い点は注意が必要。また損失が発生するギャンブルでは結果が変わる可能性もある。日常の意思決定にどこまで当てはまるかは、さらなる研究を待ちたい。
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