たったこれだけ?スライドを1枚ずつ出すだけで学生の点数が上がった話
「このスライド、情報詰め込みすぎて学生がどこ見てるかわからん…」と悩む先生、あるいはプレゼン資料作りに頭を抱えるビジネスパーソンに朗報です。
東京理科大学の研究チームが行った実験で、パワポのスライドを「全部ドーンと表示する」のではなく、「ナレーションに合わせて1つずつ出す」というシンプルな変更だけで、学生のテストの点数が上がったことがわかりました。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究チームは、日本人の大学生40人(理系、視力・聴力正常)を2つのグループに分け、同じ生物学の授業(捕食者と被食者の関係や共生、種間競争など)を録画で見せました。
片方のグループは、すべてのグラフやラベル、イラストが最初から見えている「フルスライド」バージョン。もう片方は、ナレーションの進行に合わせて要素が次々と表示される「累積表示」バージョン。
授業後の即時テストで、累積表示グループの平均点は20点満点中17.70点。一方、フルスライドグループは16.70点でした。約1点の差ですが、統計的に意味のある差だったそうです。
なぜ点数が上がったのか?その秘密は「視線」にありました。
研究チームはアイトラッキング技術を使って、学生がどこを、いつ見ているかを詳細に記録。すると、累積表示グループは新しい要素が画面に現れてから約1秒以内にそれを見つめていたのに対し、フルスライドグループは同じ要素を見つけるまでに約5秒もかかっていたのです。
つまり、スライドに情報が最初から全部載っていると、学生は「今どこを見ればいいのか」を探すのに時間を取られ、肝心の説明を聞き逃してしまう可能性がある、というわけ。
「どちらの授業が難しかったか」という主観的な評価には差がなく、学生は「難易度は同じ」と感じていたのもポイント。つまり、累積表示が「楽に感じさせた」わけではなく、純粋に「注意を適切な場所に向けさせた」ことで理解が深まったと考えられます。
この方法、特別なソフトは一切不要。パワポで要素を1つずつ表示するように設定し、それに合わせて話すだけ。研究チームも「教師は授業前にスライドを分割して用意し、授業中に自然に提示できる」と述べています。
もちろん、実験は40人の大学生を対象にしたラボ環境でのもの。実際の教室や、もっと若い生徒、他の教科でも同じ結果が出るかはまだ不明。長期記憶への効果や、グラフとイラストで効果が違うかなど、今後の研究課題も残っています。
とはいえ、「情報を詰め込みすぎたスライドで学生が迷子になる」という光景に心当たりのある人なら、一度試してみる価値はありそうです。
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