猛毒トリカブト、400年越しの謎が解ける!新薬候補の分子合成に成功
毒草として名高いトリカブト(ウルフズベイン)とその庭仲間ヒエンソウ(ラークスパー)。この2つの植物が、じつは未来の新薬の鍵を握っている——そんな研究結果が話題だ。
ミシガン州立大学とチェコ科学アカデミーの研究チームが、両植物が猛毒成分を作り出す際に使う6つの酵素を世界で初めてマッピング。さらに、その仕組みをタバコ植物に移植して、マラリア原虫に効くとされる中間体「アチシニウム」の生成にも成功した。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 「これらの植物は何千年もの間、世界中の医学で使われてきた」と語るのは、論文の共同筆頭著者でミシガン大学フリント校助教授のガレット・ミラー氏。「体内との相互作用は多岐にわたり、その生成法を理解すれば全く新しい試験の道が開ける」。
きっかけは学会での偶然の出会い。ミシガン州立大のビョルン・ハンバーガー教授(ラークスパー担当)と、チェコ科学アカデミーのトマーシュ・プルスカル率いるチーム(トリカブト担当)がバルセロナの会場でバッタリ。「共同研究こそが最高の科学を生む」とハンバーガー教授も太鼓判。
研究チームは7種の植物の遺伝子データを比較し、候補284個からたった6つの酵素に絞り込んだ。その過程で明らかになった最大の驚きは、毒の核心である窒素の取り込み方。今まで科学者は「エチルアミン」が使われると信じていたが、実際は植物細胞の膜にありふれた「エタノールアミン」を利用していたのだ。この発見には「DAS」と名付けられた新規酵素が関わっており、これまで機能不明だったタンパク質グループに属する。
「理想的なシナリオでは、こうした天然物にヒントを得た新薬の創出につながる」と、同じく共同筆頭著者でチェコ科学アカデミーの大学院生ラナ・ムタブジジャ氏。両植物は進化的に約2700万年も離れているが、基本的な6段階の経路は共通しており、応用範囲は広い。
ただし注意点も。トリカブトは微量で麻痺を引き起こす猛毒で、絶対に自分で扱ってはいけない。研究はあくまで初期段階で、有名な猛毒アコニチンのような複雑な分子の全合成にはまだ遠い。それでも、2000年以上にわたる漢方の知恵(トリカブトの加工根は「附子」として使われてきた)に、現代科学が初めて分子レベルで追いついた瞬間と言えるだろう。
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