飲酒運転の基準を0.05に下げたら、死亡事故が激減。隣接州との差は歴然
「酒を1杯でも飲んだら運転するな」と言われても、実際どこまでOKなのか曖昧なライン。アメリカでは長年、血中アルコール濃度(BAC)0.08%が飲酒運転の基準だったが、ユタ州だけは2018年末からこれを0.05%に引き下げた。するとどうなったか。
なんと、飲酒絡みのドライバー死亡事故が、周辺の州と比べて**明らかに減った**というのだ。『American Journal of Preventive Medicine』に掲載された研究結果が、その効果をはっきり示している。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 研究チームは、ユタ州と隣接するアリゾナ、コロラド、アイダホ、ネバダ、ニューメキシコ、ワイオミングの6州のデータを比較。2016年(法改正前)と2019年(改正後)の郡ごとの事故死亡者数を細かく分析した。
結果、ユタ州では**あらゆるアルコール濃度レベル**で飲酒運転による死亡が減少。特に、BAC 0.01以上のドライバー全体で見た減少幅が最大だった。つまり、ギリギリのラインを狙っていた人たちだけでなく、もっと広い層の行動が変わった可能性が高い。
一方、シラフのドライバーの死亡事故はユタ州も隣接州も同様に減っており、差はなし。つまり「単に事故全体が減った」わけではなく、**飲酒運転を取り締まる法律の効果**がはっきり出た形だ。
「ほんのちょっとだけなら…」という心理を断ち切ったのが、0.05%の壁。研究者は「アルコールが少しでもあればリスクを感じる人が増えた」「バー側も厳しい取り締まりを想定して提供を控えた」などの相乗効果を指摘している。
実際、オーストラリアやオーストリア、フランス、オランダ、そして日本でも、基準を0.05以下に引き下げた後に同様の死亡減少が報告されている。WHOや米国運輸安全委員会も「0.08は甘い」と警告してきたが、政治的な抵抗と「酒飲みを犯罪者扱いするのか」という反発で、ユタ以外の州はまだ動いていない。
「データは出た。あとは政治家が有権者を説得できるかどうか」というのが、現実的なハードルだ。
なお、この研究は2016年と2019年の2年だけの比較で、長期効果や車の安全技術向上の影響までは完全に排除できていない。とはいえ、**「0.05で事故は減る」という強力なエビデンス**がまた一つ積み上がったのは間違いない。
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