4ヶ国語操る女優がNYで開花 マドリードから続く“諦めない”道のり
「私は手ぶらでここに来たわけじゃない。学んだすべてを携えて、街に再び教えてもらったんだ」
そう語るのは、ブラジル系スペイン人の女優ヴィトリア・デ・オリヴェイラさん。彼女はスペイン語、ポルトガル語、カタルーニャ語、英語の4ヶ国語を操り、演劇と映像の両方で活躍している。現在はニューヨークを拠点に、舞台とスクリーンを行き来する日々だ。
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro 2011年に俳優業をスタートさせてから、彼女の歩みは決して楽ではなかった。マドリードのウィリアム・レイトン演劇研究所で演劇学位を取得後、古典から現代劇まで幅広い舞台を踏んできた。『ベルナルダ・アルバの家』『フエンテオベフーナ』など、計8作品のプロダクションに出演。そこで培ったのは「ごまかしが効かない」という厳しい現実だった。
「舞台は準備を偽ることを許さない。体がすぐに反応するし、観客も気づく」
さらに彼女のバックグラウンドをユニークにしているのが、10年以上のダンス経験と、ブラジリアン柔術のブルーベルト保持者であることだ。「ダンスは“存在する方法”を教え、柔術は“プレッシャーとの向き合い方”を教えた。頭だけで考えてもダメで、体で感じ取る必要がある」
2022年、彼女はスペインを離れニューヨークへ。すでにプロとして経験を積んでいたが、新たな挑戦を求めての決断だった。現地ではステラ・アドラー・スタジオやリー・ストラスバーグ演劇映画研究所でさらに研鑽を積み、ニューヨーク初舞台『Dress Still Fits』(フレッシュフルーツ・フェスティバル正式出品作品)を踏んだ。
映画デビューはマイケル・パッテン監督『The Woman Who Could Read the Minds of Dogs』での主演。その後も『ICE』『LUZ』で主役を務め、国際映画祭での評価を得ている。
「映画ではすべてを前に押し出せない。時には、ほんのわずかな表現で十分だと信じなければならない」
彼女がここまで粘り強く歩みを続けられたのは、幼少期の経験が大きい。ブラジルからスペインに移民したシングルマザーの母は、「スピーチで教えるのではなく、生き方そのものでレジリエンスを示してくれた」。その姿勢は今も彼女の中に息づいている。
最近の業界では国際的なストーリーが増え、ストリーミングによって言語の壁が低くなった。ヴィトリアも「多様な視点が評価されるのは良いこと。でも、どんな背景の作品であれ、技術への真摯な向き合い方は欠かせない」と語る。
「キャラクターをすでに理解しているつもりで近づかない。そこから面白くなるんだ」
彼女の次なる目標は、米国での映像作品への挑戦。マドリードからニューヨークへの道のりはまだ続く。ある舞台から別の舞台へ移るだけではなく、与えられるものを増やしながら歩き続ける——それが彼女の選んだ道だ。
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