「キャリア計画なんていらない」研究結果が示す意外なメリット
「キャリアは計画的に」「目標を明確に」「堅実な業界を選べ」――そんなアドバイスを一度は聞いたことがあるだろう。でも、その「しっかり計画しなきゃ」という考え、実は逆効果かもしれないよ。
澳門大学とヒューストン大学の研究チームが、アメリカの労働者約1000人を6ヶ月追跡した調査で、面白い結果を出したんだ。「キャリアの不確かさにうまく適応できる人」ほど、仕事にやりがいを感じ、満足度もエンゲージメントも高いって。
研究では、この能力を「キャリア・ウィズダム(職業的知恵)」と呼んでいる。具体的には①不完全な情報でも決断できる、②直感を信じる、③キャリアが不透明でも不安を許容する――という3つの行動パターン。いわば「答えが出なくても平気」なメンタリティだ。
調査は3回のアンケートで実施。最初に995人の参加者のキャリア・ウィズダムや仕事の意味づけ、満足度などを測定。3ヶ月後に再び仕事の意味を、6ヶ月後に満足度やエンゲージメントをチェックした(最終有効回答は505人)。
結果がこれだ。キャリア・ウィズダムが高い人は、3ヶ月後に「仕事に意味を感じている」割合が高く、その感覚が6ヶ月後の職務満足度や仕事への没頭度を押し上げていた。しかも、このパターンは性別や人種、収入レベルに関係なく共通。つまり、誰にでも効く可能性があるってわけ。
面白いのは、仕事の満足度に関しては「意味を感じること」がほぼ全ての効果を説明していたのに対し、エンゲージメントには別のルートもあった点。研究者は「キャリア・ウィズダムそのものが、レジリエンスや適応力を高めているのかも」と推測している。ただし、人生全体の満足度との関連は弱く、「6ヶ月では変化を捉えるには短すぎる」と慎重だ。
「キャリア・ウィズダムは教えられるスキル」と研究者は言う。生まれつきの才能ではなく、訓練で身につくものだというのだ。「無鉄砲な決断をしろという意味ではない。情報収集と選択肢の検討は大事。でも、完璧な答えを追い求めるのをやめて『今はこれで十分』と前に進む勇気も必要」と説明する。
もちろん、この研究には限界もある。観察研究なので因果関係は証明できていないし、参加者はオンラインで募ったため職種による偏りも考えられる。昇進や給与といった具体的な成果との関連も未調査。でも、「計画こそ全て」という価値観に一石を投じる内容であることは間違いない。
「5年計画」に縛られて身動きが取れなくなるより、不確かさを受け入れながら柔軟に進む方が、結果的に仕事が楽しくなるかもしれない。完璧を目指すより、「まあいいか」で動き出してみるのも、アリなんじゃないかな。
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