2億年前の花粉が真っ黒に!温暖化で猛威を振るった「シダ火災」の無限ループ
200万年前じゃない、2億年前の話だ。地球がかつて経験した5大絶滅イベントの一つ、三畳紀末。超大陸パンゲアの分裂に伴う大噴火で、なんと10万ギガトンもの二酸化炭素が大気中に放出され、気温は5〜10度も上昇した。そんな中、欧州北西部で何が起きていたのか——その答えが、化石になった花粉に刻まれていた。
ユトレヒト大学の地質学者チームが、ドイツ・デンマーク・ルクセンブルク・英国の4地点から掘削した岩盤コアを分析。すると、絶滅期の地層に含まれる花粉や胞子が、それまでの薄い黄色からほぼ黒色に変色していることが判明した。深く埋まるほど色が濃くなる通常の加熱とは違い、4つのコアすべてで同時期にだけ黒くなっていたため、研究者たちも長年「なぜ?」と首をかしげていたという。
原因は「大規模な山火事」だった。チームは顕微鏡カメラで1万3000以上の花粉・胞子の色を測定。その黒ずみは木炭や煤の痕跡とピッタリ重なり、火災の証拠だと結論づけた。
ここからがこの研究のヤバいところ。森林が気候ストレスで消え去った後、代わりに急速に広がったのはシダ植物。シダは乾燥するとメチャクチャ燃えやすく、しかも根は地中に残るから地上部が焼けてもすぐに再生する。つまり、シダが燃えれば燃えるほど、またシダが生えてくるという無限ループに突入。研究チームはこれを「シダ火災フィードバックループ」と名付け、なんと4万年から30万年もの間、欧州北西部が繰り返し火の海になっていたと推定している。
「シダは本当に驚くべき植物で、地球史の多くの危機を乗り越えてきた。まさに災害に強い種と言える」と話すのは、論文の上席著者であるユトレヒト大学のバス・ファン・デ・スクトブルッヘ博士。さらに「シダが乾燥すると、厚いマット状になって大規模山火事に理想的な燃料となる。シダが火に応え、火をあおる燃料を供給し、繰り返し巨大火災を引き起こした。まさに地獄のような世界だった」と続ける。
「教訓は、気候変動・森林破壊・日和見種の拡大が組み合わさると、完璧な嵐の材料が揃うということだ」と博士は警告。2億年前の灰は、今も同じ物語を語り続けている。

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